人脈の大切さ

何を知っているかよりも、誰を知っているか

現役商社マンのころ度々耳にし、また自らも口にした一種の格言のひとつ「Know HowよりもKnow Who」。すなわち「何を知っているかよりも誰を知っているかが重要」という意味です。商売を進めるうえで重要かつ基本的なことだと思います。

日常業務を通じ得られる人脈はもちろん大切にしなくてはなりませんが、私は仕事以外でも極力交際範囲を広げるよう日頃から心掛けました。例えば、同窓会をはじめ趣味の集いや各種のOB会などにも時間・体調・予算の許す限りで積極的に参加して、まめに名刺を交換して顔と名前を覚えてもらえるよう努力してきました。長年にわたる人脈づくりのかいがあって、今日では「随分とお顔が広いですね」と言われるようになりました。

人脈を広げ、よりよい対人関係を築くには

私は名刺入れに勤務先のキャプラン社の公用名刺の他に、同窓会関係の世話役の名刺3種と、さらに私用の名刺1種を収めております。特注の私用の名刺には姓名・現住所・電話番号・ファクス番号・メールアドレスのみを記載。裏面に13の所属団体・組織名を列記してあります。この私用名刺はTPOを勘案のうえ適切に活用すれば、相手との親近感を深め人脈のさらなる拡大にもプラスとなることを実際に体験しました。

ちなみに、人脈や人との絆は一朝一夕には形成できないと思います。日頃からの心構えが重要です。もちろん、それなりの費用もかかるものです。良き対人関係を望むのであれば、まずは自分自身の人柄や品性の向上に特段の配慮が必要なのだと今更のように自戒する昨今です。

1958年 三井物産入社:星野 仁一