商社勤務を希望する皆様へのエール

商社でのお仕事を希望する皆様方のために私自身の商社勤務の体験談が少しでもお役に立てばと思い、拙い筆を執ることにしました。
商社を退職後、人材業界に転身して既に22年の歳月が経過、2012年7月からキャプランで営業顧問として若い仲間達のお手伝いをしておりますが、まずは私自身の簡単な「履歴書」をご披露させていただきます。1935年東京生まれ。高校・大学での部活は応援指導部。1958年に三井物産入社。運輸、機械、人事、業務、鉄鋼、ホノルル、セメント、ジャカルタなどに在勤。1992年定年退職後、人材企業3社を経て現在に至る、と言ったところです。

三井物産での34年間を回顧しますと、正直なところ商売面では華々しい実績は上げ得ず、会社への貢献度も少なく内心恥じる思いがありました。しかしながら、各方面の部署での勤務を通じて社内外の人脈を広げることとなり、これが私の人生にとって大きな財産になったと思っています。

円満な対人関係の構築は社会人として常に心掛けねばならぬ課題です。仕事上、顧客(売手、買手)との付き合いが不可欠な商社マンの場合、対人関係が特に重視されます。私が現役社員の頃は直属の上司からは日々厳しい指導を受けましたが、現在も記憶しているひと言は「らしく。ぶらない」です。私は職場が変わる都度、この金言を反すうし肝に銘ずるように心掛けてまいりました。皆様方も「らしく。ぶらない」に上の句を適宜当てはめて一度暗唱なさるようお勧めします。なかなかうんちくのある言葉です。

ところで、私が三井物産で働いていた頃と現在とでは、仕事の環境も社員の意識も随分と変化したのではないかと思います。従って、私のような者が今後商社勤務に挑戦なさる皆様方に、果たして的確な提言ができるかどうか一抹の不安もございます。その点を配慮しながら皆様方にエールをお送りしたいと存じます。

1958年三井物産入社:星野 仁一