2018年7月24日

今回はマデイラワインの代表的な生産者である『ブランディーズ・マデイラ』クリス・ブランディー氏にお越しいただきました。ブランディーズのスタイル、マデイラのテロワール、熟成能力、そして国際と日本の市場に関していろいろ聞かせていただきました。ぜひご覧ください!

This time WSET Diploma holder Ettore Donadeo is interviewing iconic Madeira producer Chris Blandy of Blandy's Madeira. Chris held a seminar on his wines and shared with us his thoughts on Blandy's style, Madeira terroir, ageing potential and market, both international and Japanese. It has been an honor and a pleasure to have him at our wine school!


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本日はお越しいただきましてありがとうございます。お会いできてとても嬉しいです。本日のセミナーもとても楽しみにしています。ではまず、自己紹介とブランディーズについて少しご紹介いただけますか?

私はブランディーズ家7世代目のクリス・ブランディーです。会社創立は1811年ですので、200年以上マデイラでワインを造っています。ブランディーズは、長きにわたり伝統を守っている家族経営の会社です。私が親に引き継いでもらったように、自分の子供や孫に健全な会社と豊富なワインストックを引き継いでいくことが私の目的です。

過去、現在、そして未来とつながっているんですね。ときに、マデイラワインは全て同じ味だと思われる方がいらっしゃいますが、それは違うと思います。ブランディーズのマデイラはどんなスタイルですか?

私たちのマデイラワインは醸造過程で大切な要素が2つあります。

一つ目は「酸」です。酸の高さは、「土壌」それから収穫時期も影響しています。二つ目の重要な要素は、「加熱処理」です。マデイラワインは世界でも数少ない加熱処理をするワインです。ブランディーズは加熱処理をフンチャル首都の、ある特別な倉庫で行っています。通常「テロワール」というと主に畑のことを思い出すかと思いますが、フンチャルの倉庫にも確かな「テロワール」があります。

そこは65万Lのプレミアムマデイラを保存していて、セラーは12カ所あります。温湿度はそれぞれ異なり、それがワインのスタイルに大きな影響を与えています。海が近いので、水分の蒸発速度は割と早いです。私たちのスタイルを知るためには熟成環境も知っていただかないといけないと思います。ブランディーズマデイラはとても複雑で、酸が高く、香り高い。それはフンシャルにある熟成倉庫内の環境も影響しているのです。

いろいろなテロワールがあって面白いですね、畑とか、セラーとか・・・過去からスタイルは変わりましたか?

スタイルは常に進化していると思います。毎年ワインを改良、理解、研究すればするほど、品質は向上していっていると思います。マデイラワインを造る際、多様な気候、多様な葡萄品種、発酵方法、酒精強化に使うアルコールなどさまざまな点を考慮します。熟成は80年前からのとても古い樽で行い、熟成年数によってセラーも使い分けます。地球温暖化も多少なり影響しているといえるでしょう。つまり、弊社のワインのスタイルを保つためには、ワインの現状や進化も理解していなければなりません。ワインの品質は常に向上しています。

常に進化ですね。マデイラは長期熟成のワインですが、より熟成に向いている葡萄品種はあると思いますか?マルムジーとか、ヴェルデーリョなど どうでしょう?

良い畑で品質の高い葡萄を育て、細部にまで気を配って醸造すれば、どの葡萄品種でも素晴らしいヴィンテージになると思います。過去にはテランテス、バスタルド、ブアル、マルムジーは良いヴィンテージになりました。古いヴィンテージのセルシアルはあまりないです。しかし、「古い」というのは18世紀、19世紀のヴィンテージのことですね。古いマデイラはこんなものですね。とにかく細部にまで気を配り、良い畑で育った葡萄で造られたマデイラであれば、どの葡萄品種でも長く熟成することができます。

マデイラの国際マーケットはどんなマーケットですか?消費量は増えていますか?もしくは価値が上がっていますか?日本はどうですか?

10~15年前からマーケットは拡大していますが、ワインと酒精強化ワインの生産量を見ると、マデイラの市場はまだまだ小さいです。マデイラ島の生産量は年間約300万リットルのみ。4500万リットルのシェリーと8500万リトルのポートと比べるととても少ないです。

マデイラはいわゆる「料理酒」と思っている方はまだ多くいらっしゃいます。もちろん料理酒としてもとても良いのですが、最近では生産者も世界中のワイン業者も食中酒として飲むことをお勧めしています。日本人は料理酒としてマデイラを使うことはご存知ですが、食事中のワインとしても また楽しんでいただいています。マデイラの多様性、フレッシュな酸味を高く評価してくれていますし、抜栓してから長く保存できることも喜んでくれています。マデイラは決して劣化しません。

それは言っちゃだめですよ。すぐ飲んで、新しいボトルを買ってくださいと言わないと(笑)

皆さまにマデイラは素晴らしい食中ワインだと知っていただくために、現在は飲食店に協力していただいています。それがキーポイントです。大手ウイスキー、大手ジンのようにはいきませんが、徐々に成長してきています。弊社の生産量は少なく、ストックに限りがあるので、市場が大きくならなくても問題はないですが、古いヴィンテージなど、もし急にブームになれば、需要に応えられないかもしれません。

ありがとうございます。最後、日本人の皆さまに何かメッセージはありますか?

マデイラワインをたくさん飲んでください!そして、いつでもマデイラにお越しください。

ありがとうございます。乾杯!

乾杯!

著者紹介

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。

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