ワインの豆知識:オーストリアワイン

2023年5月18日

ヨーロッパの中心に位置しているオーストリアは昔からワインを造っています。ワイン産地はドナウ川とその支流沿い、およびハンガリー国境に近い国東部にあります。最も有名なワイン産地はヴァッハウで、辛口のリースリングとグリューナー・フェルトリーナーで知られています。これらのワインはミネラル感、酸味、複雑さが特徴で、しばしばドイツやアルザスの最高級ワインと比較されます。ヴァッハウはユネスコの世界遺産に登録されており、その急勾配の段々畑はヨーロッパで最も絵になる場所の一つです。

しかし、優れたワインを生産できるのはヴァッハウだけではありません。カンプタール、クレムスタール、トライゼンタール地方もリースリングやグリューナー・フェルトリーナーで知られており、東部のブルゲンランド地方では赤ワイン、特にブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトで知られています。

オーストリアのワイン造りの歴史は長く、ローマ帝国時代までさかのぼります。中世には、ワイン造りは主に修道院で行われていました。オーストリアを何世紀にもわたって支配したハプスブルク家もオーストリアワインをヨーロッパ内外に広める重要な役割を担っていました。

近年、オーストリアワインはルネッサンス期を迎えて、ワインメーカーは量より質を重視し、伝統的な手法を尊重しながらも近代的なワイン醸造技術を取り入れています。フランス、イタリア、ドイツなどと比べると生産量は少ないですが、世界的に人気と認知度を高めてきています。そして、オーストリアのワインメーカーの多くは、有機農法やバイオダイナミック農法を採用しており、より美味しいワインを造るようになってきています。

著者紹介

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。

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