ジン

2023年4月20日

ジンは、ジュニパーベリーなどの植物で香り付けされた透明な蒸留酒です。

ジンの起源は、モルトワインから作られ、ジュニパーベリーで香りをつけたオランダの蒸留酒「ジェネバー」に遡ります。この蒸留酒は17世紀初頭に初めて製造され、瞬く間にオランダをはじめとするヨーロッパ全域で人気を博しました。

そして17世紀半ばに、30年戦争でオランダ兵がイギリス諸島にジェネバーを持ち込みました。この時、オランダ語のジュニパーに由来する「ジン」という名前が付けられました。やがて、ジンはイギリスで人気のスピリッツとなり、さまざまなスタイルで製造されるようになりました。現在最も一般的なジンのスタイルである『ロンドン・ドライ・ジン』は、19世紀に初めて製造され、ドライでさわやかな風味と、シトラスピール、コリアンダー、アンジェリカルートなどの植物原料を使用していることで知られています。

ジンの製造は、穀物アルコールや糖蜜などの中性スピリッツを蒸留することから始まり、その蒸留酒に混合されたボタニカルを注入します。ジンに使用されるボタニカルの種類はさまざまですが、ジュニパーベリーは常にその重要な成分の一つです。蒸留酒にボタニカルを加えた後、再蒸留して仕上げます。この再蒸留の過程で、ボタニカルの風味がスピリッツに溶け込み、ジン特有の味と香りが生まれるのです。

近年、ジンへの関心が再び高まり、多くのクラフトディスティラーがユニークで革新的なスピリッツを製造しています。伝統的な『ロンドン・ドライ・ジン』から、珍しい植物を使った実験的なスタイルまで、ジンは長く魅力的な歴史を持つ人気のスピリッツです。

著者紹介

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。

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