スピリッツの色

2022年12月22日

スピリッツは色で熟成具合を判断することができません。スピリッツは蒸留されたとき、最初は常に水白で無色なのです。その後、ウイスキーやコニャックなどは樽熟成され、年数に応じて金色、琥珀色、茶色になりますが、高級な生産者でもカラメルで色を補正したり加えたりすることが非常に多いのです。このカラメルは甘みを加えるものではなく、熟成を模倣したり、ロットでスピリッツの色に一貫性を持たせたりするためです。

その結果、きれいな黄金色を見せるテキーラやラム酒などは、本当はオークで熟成されていないこともよくあります。一方、水白で無色のホワイト・ラムはオーク樽で熟成させている場合があります。その場合は瓶詰めする前に、スピリッツは木炭の層で濾過されて色を取り出します。そのため、スピリッツの熟成方法を正確に評価する唯一の方法は、オーク材の香りがするかしないかを確認することです。

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著者紹介

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。

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