ボルドーのクリュ・ブルジョワ復活?!

2018年3月6日

ボルドー クリュ・ブルジョワ(ワイン生産者の格付けの一つ)の歴史はとっても複雑。最初(2000年)の格付けは、1855年のメドック地区の格付け(クリュ・クラッセ)対象に入っていなかったシャトーを集めたもので、中には「シャス・スプリーン」や「ポタンサック」などのクリュ・クラッセに負けないくらいの素晴らしいワインもありました。

元々、クリュ・ブルジョワのレベルは3つあり、当初は10年ごとに更新される予定でした。しかし、2007年にレベルを落とされたシャトーが裁判所に不服を訴え、その結果、格付けシステム自体が中止となってしまいました。その後、2010年にある意味”復活”しましたが、復活後のシステムは「格付け」というよりも「資格」といった方が良いかもしれません。自分のワインを「クリュ・ブルジョワ」と名乗りたい生産者は、その年のワインが評価され格付けに合格したとしても、申し込んだヴィンテージのワインに限るのです。つまり、同じシャトーで「クリュ・ブルジョワ」になっているヴィンテージとなっていないヴィンテージがあるかもしれないのです。

参考に2015年・2014年のクリュ・ブルジョワをご紹介。非常にわかりづらいですね。追跡しにくいですし、マーケティングの面でもなんだか少し物足りないですね。

しかし!!!最近のニュースによると、格付けのシステムが復活するそうです!昔のように『Cru Bourgeois」『Cru Bourgeois Supérieur」『Cru Bourgeois Exceptionnel」の3つのレベルに分けられ、2020年に販売される2018年ヴィンテージからスタートされる予定とのこと。

わかりやすくて、商品も売りやすくなると思われますが、また憤慨する生産者に訴えらないような対策を考えなければなりません。更新は年ごとになる予定ですので、落とされたシャトーでも復活するチャンスがあります。クリュ・ブルジョワ委員会長のFrédérique Dutheillet de Lamothe氏はワインを公平に評価することを保証しています。

十分な対策がなされるかどうかは数年後分かるのでしょうが・・・、とりあえず楽しみですね!

著者紹介

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。

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