伊藤忠で働くひとびと~個人的定点観測~

「商社コラム」ということで、このページをご覧になる方は、少なからず商社で働くことをお考えの方かと思いますので、実際に商社で働いている一個人として、職場の雰囲気や働き方について感じていることを、少しお話しできればと思います。

一昔前までの商社のイメージと言えば、営業社員は日々国内外を飛び回り、社内では電話が鳴り響き、世界を股にかけて昼夜問わず猛烈に働く、といったところかと思いますが、昨今はITの進歩などもあり、海外ともタイムリーにメールやTV会議ができるようになり、また、朝型勤務の導入もあって、働き方も随分と変わってきていると感じます。20時には退社するという時間的制約ができたことによって、いかに日中に集中して業務をこなすか、無駄をなくすかを考えますし、業務に求められるスピード感は、より増したように思います。短時間でこれまでと同じかそれ以上の成果を出すために、担当者同士や上司とのコミュニケーションも以前より増えている印象もあります。早め早めに報告・相談することでその後の作業の無駄を省くことに繋がっているのではないでしょうか。私自身は20時ギリギリまで残業することはあまりないのですが、日頃から、すぐできることは後回しにせずにその場で対応するとか、わからないことは悩まずに調べる→考える→聞くといった行動を起こして、自分のところで仕事が滞ることがないよう、常に意識しています。

営業部署での勤務経験がないので、管理部門の雰囲気しかわかりませんが、仕事で応対する営業の社員含めて、社内には、しなやかな強さを持っている方が多いなと思います。例えば人事部員のことで言えば、法令や就業規則等の社内ルールの中でできないことはできないときちんとお伝えするけれど、その枠組みの中で最大限柔軟に考えて、少しでも相手の意図を汲んだ対応ができないか知恵を絞っています。そして、方針を決めたら何とかそれを実現するために、使命感を持って、関係者と交渉し調整する、そんな働き方をしています。それは、営業・管理部門といった職種や、総合職・事務職といった職掌に関係なく、どんな業務においても共通する取り組み方なのかなと思います。ありきたりの言葉にしてしまえば、業務遂行能力とか、責任感、主体性、柔軟性、コミュニケーション力、というような言葉になりますが、これは自分の仕事に誇りをもって真剣に真摯に取り組んでいるうちに自然と身についている基礎能力のような気がします。世間的には野武士集団とか体育会系とか言われていますが、いつも明るくて前向きで、しなやかな強さを持って粘り強く交渉に臨む姿が、そのように映るのかもしれません。

基礎能力ということで言えば、英語もそのひとつかもしれません。毎日朝から晩まで電話もメールも会議も英語だらけ、というような部署もあるでしょうが、そうでない部署も多々あります。私も仕事上英語を使うことはほとんどありませんが、それでも月に数件は英文の契約書の確認作業があったりするので、さっと目を通して理解できるように、基本的な法律用語や英文契約書のフォーマットなどは自分で勉強しておく必要があります。英語が得意というだけではあまり売りになりませんが、基礎能力として最低限の英語力は必要とされるということで、なかなか難しいところですね。

また、最近世間でも話題の「女性活躍支援」ですが、伊藤忠では割と早くから、様々な制度が整備されていて、これらを上手く活用しながら活躍している人が年々増えているように思います。同じ部署の中にも育児休業から復職して短時間勤務をしている女性や、子供を連れて海外赴任している女性など、いろいろな形で勤務している人がいて、長く会社に貢献していく意思のある人達には、必要な支援がされているように思います。こうした成功事例が増えていくことで、今後ますます、女性も長く活躍できる職場になって欲しいと思っています。

個人的に日々感じたり目にしたりしている事を拙い文章で書かせていただきましたが、商社を目指してこのページにたどり着かれた皆様にとって、少しでも参考になれば幸いです。

伊藤忠商事 人事・総務部:西村 茂子